サンクコストを知っていても実行できない2つの理由

リテラシー

リーマンショックの直前のこと、キャピタルゲイン(マンションを買った値段より高く売ってその差益を儲けること)をあてにして、ある投資マンションを2500万円で買った友人がいました。そして運悪くその後にリーマンショック。1年経っても、2年経ってもこのマンションの値段は下がり続け、利益どころか元さえ取れません。悩んだ友人は不動産投資をしていたわたしにアドバイスを求めてきました。どう考えても近いうちに不動産市場が上向きになることは考えられなかったので、友人にこうアドバイスしました。「サンクコストだからあきらめて売った方が良い」と。

サンクコストとは

サンクコスト(sunkcost)とは、事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のことで、日本語では埋没した費用と言います。

例えば、何かのビジネスでは何かに投じた費用を、売り上げから回収するということで経営がなり立っています。例えばパン屋を開店するためには、土地を買い、店を建て、内装を作り、パン焼き器を買う等々です。初期投資だけでなく、継続的にかかる費用(ランニングコスト)」もあります。例えば、小麦、砂糖、バターなどです。

これらの投資はすべて売り上げ、つまりパンを買ってもらう人が払う金によって回収され、プラスになったものが利益になります。しかし、この費用が回収できない状態が続いたり、もう回収できないと考えられる場合、この投資はサンクコスト(埋没費用)になるのです。

 

コンコルド効果

有名なサンクコストの例にコンコルド効果というのがあります。国家的なサンクコストの例に「コンコルドの失敗(コンコルド効果)」というものがあります。

「コンコルド」という超音速旅客機の名前を聞いたことがあると思います。音速を超えて飛ぶ旅客機で、飛行機の常識を超えるものになるだろうと言われたあの飛行機です。

ところが、この英国とフランスが巨額の費用を投じて作ったコンコルドは、燃費がものすごく悪くさらに騒音がものすごく、全く売れませんでした。この時点でコンコルドはサンクコストだったのですが、英仏は対面にこだわり生産をし続けてしまいました。

 

サンクコストの例は日常に転がっています

例えばあなたが沖縄に3泊4日の旅行をしようと計画をし、ホテル代と飛行機代合わせて20万円を支払ったとします。ところが、1週間前に天気を確認すると、運悪く出発日の次の日から数日間は台風の予報、出発2日前になっても予報は改善せず、台風がくることは確実です。旅行会社に確認すると、今キャンセルすると、8割(16万円)キャンセル代金が取られるとのこと。

さて、あなたはどうしますか?
1.6万円がもったいないので沖縄に行く
2.サンクコストとあきらめて、キャンセル料6万円を支払う。

あなたが有名なラーメン店に並んだとします。しかしいつまで経っても順番は回ってきません。もう1時間も経っていますが、まだ並び続けます。ここまで並んだのだから、今やめると投資したもの(この場合並んだ1時間)が無駄になると。

カラオケなんかもそうかもしれません。

3時間以上歌うなら歌い放題がお得ですよ。

じゃ、歌い放題にします。

と言ったものの、あなたは1時間でカラオケに飽きてしまいました。

もうええわ。。。

でも3時間歌わないと損した気分になってしまい、歌い続けてしまいます。
パチンコや競馬などの博打はいい例です。負け続けても投資し続けて回収しようとしてドツボにはまります。

 

なぜ人はサンクコストを理解できないのか

沖縄旅行の例では、16万円を捨ててキャンセルすることが正しい選択肢です。16万円はどうやっても返ってきません。ここで考えるべきは沖縄旅行を楽しめるかどうかです。沖縄といえば青い海、熱い太陽、海水浴です。台風の中ホテルから一歩も外に出られずこもりきり、外を見れば嵐。これでは楽しめるはずはないのです。

よって2が合理的な選択なのです。でも人はこれがなかなかできません。その理由は、①投資した金はどうやっても戻ってこないことがなかなか理解できないことと、②時間の経済性を知らないからなのです。

もし沖縄旅行を強行すれば、投資したお金どころか時間も失うことがなかなか理解できないのです。先のラーメン店でもカラオケにしても博打にしても同じです。大切にすべきは時間なのです。

まとめ
・投資したお金は返ってこない
・時間の経済性を考える

投資したお金が戻ってこない以上、これからどうしたら良いか、どうすべきかを時間の観点から考えてみると合理的な判断がしやすいかもです。