政府は「人生100年時代構想」と銘うち、長寿大国の日本は人生100年間生きる前提で、経済、教育、生活保障等を考えなければならないとしている。
詳細はここ↓
「人生100年時代構想の主な考え方」は次のとおり。
要は100年生きるようになるから、そのために経済、教育、保障をしっかりしていきましょう。あなた自身も含めてってな話しです。
でも、簡単にそれはそーだ、などと納得してはいけません。仮に人生が100年になったとしても、それは今みなさんが生きているところの人生ではないという「不都合な真実」があるからです。これから1つ1つ説明していきますね。
不都合な真実1「健康寿命」
健康寿命という言葉を聞いたことがあると思います。これは寿命のことではなく、健康、つまり普通の暮らしができるまともな体のままどのくらい生きられるかということです。厚労省HPにあるの平均寿命と健康寿命の差という図をご覧ください。
平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味します。 平均寿命と健康寿命(日常生活に制限のない期間)の差は、平成22年で、男性 9.13年、女性12.68年となっています。
つまり女性は73.62歳、男性は70.42歳で健康な体は終わっているんだぜ!ってこととなのです。
不都合な真実2「体力の衰え」
健康な生活をおくる基本はまず体、つまりは体力です。それはそうです。体力がなければ物も持てない、歩けない=買い物もできなければ、電車にも乗れない、もちろん自転車や車の運転もできないのですから。
さて、下図をご覧ください。(出典:日本メディカルサービス)」
20歳を基準にした場合、70歳にしてハムストリング、背筋、腹筋、上腕筋、大肢筋もすべて15%以上衰え、特に足の筋肉は35%も衰えます。このデータは70歳までしかありませんが、100歳になればどうなるか。
なんと、90歳にして下肢は40%以上も衰えます。要は足腰立たなくなるってことです。
不都合な真実3「噛む力」
もちろん加齢にともなって噛む力も衰えてきます。下図(出典:国立長寿医療研究センター)を見てください。高齢者(65歳以上のお年寄り)は噛む力に不安を覚える人が30%以上もいます。
噛みにくいを加えると、ほぼ70%の人が噛むこと自体に不安があるのです。
不都合な真実4「発汗機能の低下」
下の棒グラフは熱中症の年齢別状況を示していますが、高齢者、特に70歳以上は屋内にいても熱中症にかかりやすくなっています。
これはその下の折れ線グラフが示すように、発汗作用が歳とともに衰えて、暑いと感じることに鈍感になってくるからなのです。80代では熱中症のほぼ半分が屋外の日常活動か屋内にいる時に発症しています。
不都合な真実5
いよいよ最後、これがとどめです。そう、脳ミソです。頭なのです。生きていくに必要な脳ミソ、これがなんと衰えていくのです。それも恐ろしいくらいのスピードで。
下の図は健康な若者と健康な78歳の老人の脳のCTです。一目瞭然ですが、若者の脳の方が白い部分、つまり脳細胞が多いのです。
なぜ、こうなるのか?それは脳の神経細胞 20歳を過ぎてから1日10万個死滅し90歳では半減してしまうのです。ボケるのは当然、というか必然なのです。
95歳以上の8割が認知症に
厚生労働省研究班が認知症を伴っていた人の割合を年代別に調べたところ、65~69歳の人は男性の2.8%、女性の3.8%だったのが、85~89歳だと男性の35%、女性の44%でした。
95歳以上だと男性の51%、女性の84%が認知症を患っていた。(朝日新聞)
そう、ボケの最大のリスク要因は長生きすること。なんという皮肉。

というわけで、いかがだったでしょうか。政府が隠し続けているこれらのリスク。人生100年時代と甘言に騙されてはいけません。
仮に100歳まで天寿をまっとうするとしても、健康な体、健康な心、健康な脳でいられる確率は極めて低いのです。100歳を前にして、男も女もボケ老人ばかり・・・。
残念ながら、長生きするということはリスクだらけなのです。