なぜ、一棟建てアパートは建てるのも買うのもNGなのか

不動産

これまで不動産関連の記事を書いてきましたが、今回は一棟建てのリスクについてです。特に仕事を引退したお年寄りが相続税の関連で、「今ある土地にアパートを建てると節税になりますよ」、とかなんとか不動産業者の甘言にのせられて、言われるままに立てたらとんでもない事態になったと言う話しをよく聞きます。

特に有名なのは、ガイヤの夜明けで有名になった「レオパレス事件」です。あの事件の問題点はいろいろあって、

・家賃保証が嘘だった
・周り中にレオパレスを建てまくった結果、供給が需要を大きく上回り入居者が激減した
・違法建築をしていた

などなど、そのレオパレスの所業は枚挙にいとまがありません。
中には月165万円の家賃が入ってくることを目算し、2億円以上の借金をしてアパートを建てた人もいたのですが、その結末は悲惨。サブリース契約をレオパレスに一方的に解除され入ってくる家賃収入は165万円どころかたったの数万円。

しかし、確かにレオパレスはひどいのですが、この問題の真因はオーナーが一棟建てのリスクを知らずに言うがままに、借金しアパートを建ててしまったと言うことです。つまるところ、月に確実に家賃収入が入ると思い込んでしまったところです。
サブリースの危うさについてはこちらの記事を読んでください。

「サブリース契約」は絶対にしてはならない3つの理由
以前、「言論プラットホームアゴラ」でサブリースについての記事を投稿しました。こちらです↓今回、この記事の続報として「サブリースのデメリット」について書いてみたいと思います。改めていうとサブリースとは、「家賃保証契約」のことです。...

一棟建てのリスク

先の記事にも書きましたが、マンション、アパート経営の最大のリスクは空室です。1棟建ては各部屋の立地はほぼ同じなので、1棟丸ごと持つということは、空室リスクを最大に背負ってしまうことにあります。

例えば、2003年に青山学院大学は相模原にキャンパスを移転し、その需要を見込んで周辺に一棟建てのアパート等を建てたオーナーも多くいたのですが、青山学院大学は10年後の2013年に相模原キャンパスの文系学部の1、2年生7000人を東京都渋谷区のキャンパスに集約することを決めてしまいました。

これによって相模原エリアは供給過剰になり家賃価格は大幅下落し、今も入居者がつかないアパート等が多数あると聞きます。また、八王子市にある中央大学は文系学部を多摩キャンパスにおいていたのですが、2022年までに大学の目玉の法学部を後楽園キャンパスに移転することを決めました。

このように1つのエリアにだけ投資物件を持つということは大きなリスクがあります。そのエリアの需要がなくなれば手持ちの物件はすべて「ぱあ」になってしまうからです。

このリスクは1棟建てのアパートに限りません。上の例で行けば相模原エリアにワンルームの投資マンションを複数持っていたとすると、青学の移転により借り手が激減する中、手持ちのマンションはすべて厳しい状況になるのです。

土地を持っている人に対して、「手持ちの空き地をアパートにして節税をしませんか」という話しは、順序が全く逆なんです。

もし1棟建てにするにしても、アパートの収益性を考えるなら、土地がそこにあるから建てるというのではなく、好立地がまずあってから、そこにアパートを建てるという順序になるはずなのです。

集客は物件の持っているポテンシャル以外にない

借金してアパートを建てるくらいなら、都内にワンルームマンションを分散して買うことをお勧めします。

なぜなら、立地について大ざっぱに言えば、人が集まり増えていくところが良い立地ということになります。

総務省が1月31日公表した外国人を含む2018年の人口移動報告によると、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)は転入者が転出者を13万9868人上回る「転入超過」となった。そのうち、東京23区が約6万人と半数近くを占めています(総務省)。

つまりは、投資物件を持つなら「東京圏」、もっと言えば23区ということになるからです。好立地なら家賃保証などしてもらわなくとも入居者はつくし、むしろ保証会社を挟まない方が収益性も高ります。

いうまでもなく将来の収入を保証してくれるものは、保証会社の社会的信用やスキルではなく、物件のもつポテンシャル、立地(特に駅からの距離だということをくれぐれもお忘れなきよう。