「ラミレス監督」でググると、最近ネガティブな記事ばかり出てくる。確かに、その采配は疑問符がつくものが多い。そんな中、面白い記事を見つけた。これです。

横浜DeNAベイスターズファンの夫が最近、ラミちゃんに愚痴をこぼし始めたのを、「選手がのびのびやってない。結局選手を信じてないのでは」と妻が冷静に分析する感じが面白い。
確かにいろいろなニュースで取り上げられたこれらのニュースとかをみるとそう感じる。
「伊藤光はマスクを被った時の防御率が悪かったから」「最後にヤス(山﨑)が試合を締めることができなかった」「平良がサインを分かっているか定かではないので出すのをやめた」。
大魔神佐々木は、山﨑を代えたことは「ありえない」と断じたし、元ヤクルトの宮本氏はバントの件を「(原)監督との差」とも言った。
なので、今回、ラミちゃんが開幕前から全幅の信頼を置く、4番佐野の実績はどうなのかを検証してみたい。
4番の役割とは何か
4番の役割は明確で、「塁上のランナーを返す」ことに尽きる。これはプロ野球だけでなく、リトルリーグから、高校野球、大学、社会人に至まで同じです。ランナーがいない時は別にして、塁にランナーがいる場合(スコアリングポジションでない場合でも)は、ランナーをホームに返す、これだけです。
3、4、5番がクリーンアップトリオと言われるのは、ランナーを綺麗にする(掃除する)と言う意味で、その中でも特に4番は中心打者。そのため、塁にランナーがいない時あるいは、ファーストにいる時4番には長打が求められる。
セリーグの4番の実績
今シーズンの各球団の4番の成績を本塁打数、打点、打率、得点圏打率でみてみると
広島鈴木「7本,21点,359,525」
巨人岡本「9本,25点,330,407」
中日ビシエド「9本,24点,327,238」
ヤクルト村上「3本,28点,380,500」
阪神大山「4本,11点,314,-」(阪神大山は7/4から出場、規定打席に届いていないため得点圏打率のデータがない)
*ソト「7本,19本,333,381」
(赤は最下位、青は首位)
・数字を見れば明らかだが、佐野は本塁打、打点、得点圏打率で最下位。
佐野はよくやっているという解説者が言う理由
ダゾーンやテレビで観ていると佐野について「よくやっている」「継なぎとしての4番の役目を果たしている」「打率も良いので役割を果たしている」と言うコメントが聞かれる。しかし、このコメントはそもそもの4番の役割を度外視したコメントだ。確かに佐野はよくやっている。打率もリーグ4位の成績で、出塁については文句がない。
しかし、先にのべたように4番の役割は自身が出塁することでも、つなぐことでもなく、ランナーを返すこと、または自分がホームに帰ってくること。そういう意味だと、打点が1番の4番のバロメーターになるのだが、佐野の打点は9。
1位の村上の1/3もなく、途中から出場してきた7/4から出場している阪神の大山の11よりも少ない。その打点の少ない理由は得点圏打率、リーグの4番の中で最下位の.233だ。つまり2塁以上にランナーがいる場面では4回に1回もヒットを打っていない。広島鈴木の.525、ヤクルト村上の.500に比べると著しく見劣りする。
ラミレス監督が信頼する理由
正直この成績でラミレス監督が佐野を信頼する理由がわからない。佐野が活躍していないなどとは言わない。事実打率はセリーグで4位、立派な成績だと思う。しかし4番打者の数字としての評価ではない。数字からすると6番か7番、または2番の打順が適当だと思う。
では、誰が4番にふさわしいかといえば、ラミレス監督が2番で起用しているソトだ。2年連続ホームラン王、昨年の打点王のソトは今シーズンも本塁打7、打点19、得点圏打率.381と他の4番と比べても全く遜色ない。2番でこの数字なので、開幕から4番を任されていたら打点はもっと多かったかもしれない。
この数字で佐野を4番にふさわしいと考えるのなら、それは横浜の打線では2番ソトがキーマンで、4番は後につなぐ役目だとの認識なのだということになる。
佐野はここまでの試合を見るとアベレージヒッターでチャンスメイクの役割を果たしている。ソトと打順を入れ替える時が、横浜DeNAベイスターズ復活の時ではないかと思う次第です。
(画像出展:横浜eNAベイスターズHP)