ワーストシナリオに向かうプロ野球

メディア掲載

6月19日に「プロ野球開幕:今後のベストとワーストシナリオ(アゴラ掲載記事)」とういう記事で、プロ野球が衰退に向かってしまう懸念を書きました。

プロ野球開幕:今後のベストとワーストシナリオ(アゴラ掲載記事)
プロ野球ファンが待ちに待ったプロ野球が6月19日にいよいよ開幕する。横浜ファン歴30数年、年間数十試合観戦している筆者にとっても嬉しい話しなのだが、ファンとして欣喜雀躍するという状況では全くない。開幕といっても当面無観客試合が続くからだ。そ...

それから約1月半経ち、プロ野球も全試合数の1/3を消化してきたのだが、とても順調だとは言えず懸念していたワーストシナリオに近づいているような状況である。

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現在のプロ野球の状況

7月10日から観客を上限5,000人で入場可能という政府指針(NHK)を受け、各球団とも5,000人を上限に観客を入場させてきた。その後8月1日以降は、収容人員の50%まで引き上げる方針だった。

横浜DeNAの南場オーナー会議議長も7月13日のオーナー会議後の記者会見で、観客数を8月1日をめどに収容人員の50%まで引き上げる方針は変更しない考えを示していた。(讀賣新聞

ところがその直後の7月18日、政府の西村経済再生担当相が「プロスポーツやイベントなどの8月以降の入場者数の緩和については、慎重に考えなければいけない」と否定的なコメントをし、22日には政府が、全国的に新規感染者数の増加を理由に、8月1日からも5,000人までを上限とする現行基準を8月末まで維持することを決定した。

日本野球機構(NPB)もこの決定に従い、観客人数制限緩和を中止し現在も5,000人の上限は続いている。

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応援制限の窮屈さ

7月22日の横浜VSヤクルト戦を実際に横浜球場で観戦したのだが、観戦の窮屈さを肌で実感した。

入場前に検温し、37.5度以上ある場合は入場が禁止される。当然入場時からマスク着用、そして入場する際も分散、時間差で入場。観戦時にも「応援歌禁止、鳴り物、大声、観客同士のタッチ禁止、メガホン禁止、タオルを振り回し禁止、指笛禁止」等々、様々な制約を受けての観戦になった。

これまで野球観戦はワンプレーごとに声を出し、好プレーは拍手をし、歓声をあげ、立ち上がり、ハイタッチをするというのが当たり前だったので、今回のコロナ禍における野球観戦は、感覚でいうと「観戦」というよりも「鑑賞」に近く、野球を堪能したという気持ちにはまったくなれなかった

正直なところ、また観戦に行こうという気持ちにはなれず、仮に全面解禁になったとしてもこの窮屈な観戦方法でこれまでどおり集客できるのかは疑問が残った。

選手の感染で試合が中止に

NPBは有観客時のコロナ感染予防ガイドラインで、プレイする選手はもちろん監督、コーチ、チームと接触しない球団関係者にも、毎日の検温、マスク着用、消毒、3密を避けるなどの厳しい行動制限を課している。

そんな中、8月1日に、ソフトバンクの選手が新型コロナに感染してしまい、翌日の試合が中止になってしまった。

ソフトバンクホークスHPによれば、感染した選手は、微熱と咽頭の違和感のみの軽症で、1軍監督・コーチ・選手、スタッフとの直接の接触はなかったもののNPBと協議して試合を中止にしたとのことだ。

このソフトバンクの例は今後にも影響を及ぼし、「コーチやスタッフが感染すれば次の試合は中止にする」という判断基準になるだろう。

さらに今後選手の感染が続いたり、観客が感染者またはクラスターが発生すれば、観戦人数を減らしたり、無観客に戻ることも考えられる。

 

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球団の経営状況

(写真AC)

プロ野球全体でいうと昨年は観客動員数が過去最高になり、今年はさらに動員数の増が見込まれていた。観客動員数の減少は、プロ野球の多くの球団の収入の5-6割を占める入場料のほか、広告収入、グッズ販売、ビールなどスタジアム内の売店の売り上げにも影響を及ぼし、球団経営を圧迫していく。

無観客試合では1開催あたり1億円の損失と横浜DeNAの南場オーナーが言っていたが、満席の1/6程度の5,000人の観客では当然赤字開催となっているはず。各球団とも、コロナ禍であっても全面解禁が来る日までなんとか乗り切ろうという思いだと思うが、8月1日に5,000人の制限は緩和されないままだった。

今日まで消化した試合は約40、あと残り試合は約80。現状は「worst」までいかないまでも「worse」の状況である。

このまま5,000人がペナントレース終了まで続き、さらに来年も同じ状況なら確実にいくつかの球団が消えてなくなる。

コロナ禍での経営状況は、プロ野球だけではなく他のイベント業、旅行業、宿泊業、飲食業も同じ状況だ。
検査数を増やせば当然陽性者数は増えていく。感染者数に一喜一憂せず、コロナを過度に恐れず、少しずつ生活様式を今までどおりに戻していくべきだと思う。
(アイキャッチ画像:写真AC)