【コンサル経験から語る】不動産投資の 失敗例とその理由

不動産

不動産投資は株やFX、先物取引に比べて価格の変動が少なく、安定した家賃収入を得られるメリットがあり、手堅い投資だと言われています。

株やFX、先物がハイリスク・ハイリターンであるならば、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンであると言えます。

でもそんな不動産投資であっても投資先を間違えるととんでもないリスクが待ち受けていますし、下手をすると泥沼にはまって大きな損をすることもあります。

不動産コンサルをしていると、お客様からいろいろなお話しを聞きます。今回は(わたしがコンサルする以前に)過去に失敗してしまった例と、なぜ失敗したのかを具体例を挙げて説明していきたいと思います。

失敗例1:一棟建て

地方に住む高齢のご夫婦からのご相談した

以前アパート経営をしていたが、失敗してしまった。もうどこに投資していいかわからないというお話しでした。

内容を聞くとこんな内容でした。

自宅近くに空いた土地を所有していたので、節税のため地元の不動産屋さんが相談してアパートを建てた。最初は順調だったが、ある大学が移転してしまってからは空室が続き、仕方なく家賃を値下げした。

今はギリギリローンが返せる程度の家賃収入しかなく、いつ赤字になるか不安で仕方がない。

マンション、アパート経営の最大のリスクは空室です。一棟建ては各部屋の立地はほぼ同じなので、一棟丸ごと持つということは、空室リスクを最大に背負ってしまうことでもあります

このご夫婦の例のように大学や企業が移転して入居者が激減したという例はかなり多いのです。例えば、2003年に青山学院大学は相模原にキャンパスを移転し、その需要を見込んで周辺に一棟建てのアパート等を建てたオーナーも多くいました。

しかし、青山学院大学は10年後の2013年に相模原キャンパスの文系学部の1、2年生7000人を東京都渋谷区のキャンパスに集約することを決めてしまい、これによって供給過剰になり家賃価格は下落、今も入居者がつかないアパート等が多数あります。

また、八王子市にある中央大学は文系学部を多摩キャンパスにおいていましたが、2022年までに目玉の法学部を後楽園キャンパスに移転することを決めました。

少子化により学生の争奪戦が激しくなり、東京圏だけでなく大阪圏、名古屋圏でも大学の都心回帰は進んでおり、学生の需要を見込んでアパート等を建てたオーナーは厳しい状況になると思われます。

「手持ちの空き地をアパートにして節税をしませんか」という話しを不動産屋が持ってくるきますが、これは順序が全く逆です。

もし一棟建てにするにしても、アパートの収益性を考えるなら、土地がそこにあるから建てるというのではなく、好立地がまずあってから、そこにアパートを建てるという順序です。

このご夫婦には売却をお勧めしました。少々損をしたとしても早めに手放さないと泥沼にハマってしまうからです。人は過去に投資したものを取り返そうとして、なかなか投資分を諦めきれません。

これをサンクコストいうのですが、サンクコスト(コンコルド効果)は割り切って捨てることが逆に将来のプラスになります。

サンクコストとはこちら↓

サンクコストを知っていても実行できない2つの理由
リーマンショックの直前のこと、キャピタルゲイン(マンションを買った値段より高く売ってその差益を儲けること)をあてにして、ある投資マンションを2500万円で買った友人がいました。そして運悪くその後にリーマンショック。1年経っても、2年経っても...

失敗例2:サブリース

サブリースとは、家賃保証契約のことで、不動産管理会社などがオーナーから一括借り上げて転貸する家賃保証制度です。住宅所有者の多くは経営や管理などをすべて管理会社に任せ、契約期間中は決まった金額が家賃収入として入ってくる仕組みです。一般的に保証される賃料は相場の80%から90%となりますが、オーナーは空室リスクがなくなり、安定した賃料を得ることができると言われています。でも、このサブリース契約は実は大きな落とし穴があるのです。

家賃はオーナーと管理会社が相談して決めることにはなっているが、意見が違った場合、その決定権は管理会社が持つことが多く、また、不動産管理会社は市場価格より安い価格で出せば入居希望者は増えるので、契約更新時にオーナーへ低い価格で打診します。

決定権は管理会社にあるので、最終的にオーナーは管理会社の意向を飲まざるを得ません。そうなると、予定していた賃料より安い金額しか手元に入らないという事態に陥ることにもなりかねません。

また、保証期間は30年等と長期間うたっている管理会社が多いのですが、実質は2年程度で契約が更新されます。契約しなければ当然家賃は保証されないので、自力で入居者を探すか、探せなければ最悪は家賃が入らないことにもなります。

サブリースは最終的に家賃を保証してくれる制度ではありません。わたしのお客様には、絶対にサブリースはしないことをお勧めしています。サブリースと一般市場価格の差額を毎月貯金すれば、空室リスク対応はできます。

また、これ以外にもサブリース物件は、オーナーが変わってもサブリース契約は継続するため、出口戦略をかける時、つまり売りに出すときに市場価格の8割くらいの価値にしかならないのです。

失敗例3:物件ポテンシャルを見誤る

最後は物件のポテンシャルを考えない例です。今入居者が入っているからといって将来入り続ける保証はありません。でも、入り続けるだけのポテンシャルのある物件は、必ずと言っていいほど入ります。

それは築年数や日当たり、部屋の間取りなどではありません。ポテンシャルのある物件は都内、駅からの徒歩10分の物件です。

ワンルームマンション投資の場合、入居者は1人です。多くは昼間働いて、夜家に帰るため、あまり日当たりは気にしません。間取りもそんなに悪くなければ大丈夫。一番気にするのはなんと言っても駅近。できれば徒歩8分と言いたいところですが、ギリギリ譲って10分です。

駅から5分の物件であれば、正直アパートでもいけます。先のお年寄りの例で行けば、都内の駅近のアパートであれば1棟建てでもリスクは激減します。

以上、不動産の失敗例とその対処策をお話ししました。参考にしていただけると幸いです。