ワンルームマンション投資はぶっちゃけ、お金もうけです。あたり前ですが、お金もうけである以上、収支は黒字でなければなりません。
しかし、少し間違えると収支は黒字どころか赤字になってしまうことがあります。
わたしが実際にワンルームマンション投資をした経験と、不動産コンサルの経験から、この収支をプラスにする方法をお話しします。
①ワンルームマンション投資の収入を知る
まず、収支と言うからには収入に部分を知っておく必要があります。
ワンルームマンションの運用で得られる収入は次のようなものがあります。
家賃:入居者から毎月受け取るもの、オーナーの主な収入となります。
礼金:入居時に入居者が支払うものです。礼金は返却するもので、「敷金」は退去時に入居者が部屋を汚した費用を差し引いて基本的には戻します。
更新料:更新時に入居者がオーナーに支払うものです。
②ワンルームマンション投資の支出を知る
ワンルームマンションの運用にかかる主な支出は次の通りです。
賃貸管理会社への手数料:マンションの管理会社に賃貸業務を委託した場合の手数料です。
固定資産税・都市計画税:所有しているときにかかる税金です。
保険料:主に火災保険ですが、これに加えて地震保険等も費用としてかかります。
修繕費用:照明器具、ドアホン、エアコン、ガス機器などが壊れた場合に必要になります。
ローン返済:不動産投資ローンを利用している場合に必要な費用です。
③ワンルームマンション投資の利益と利回りを知る
目の前の物件に投資するかどうかを決めるとき、判断に役立つ指標の1つが「利回り」です。
利回りの計算:年利(年に利率としてどの程度儲けがあるか)についての計算式で、主に2つあります。
表面利回り(グロス利回り):「実際に得られている利益」を基に計算しますが、経費については考慮されていません。
計算式は「収入÷購入価格×100」となります。
実質利回り:表面利回りに必要経費も考慮した利回りです。
計算式は「(収入-必要経費)÷購入価格×100」
費用を引く分、実質利回りの方が現実に近い値を算出できます。
④シミュレーションをする
収支シミュレーションとは将来の収入と支出がどうなっていくのかを計算するもので必要なものです。買う時点でこの計算をしておくことは、将来の憂いをなくす上で大変重要です。
シミュレーションをする際には、チェックが必要です。いくつかのポイントをお話しします。
空室率の設定:空室率はざっくりでいいと思います。わたしの経験からいうと、4年に1度は入居者が退去していきます。その際、1月程度は空室による家賃収入がなくなります。よって48ヶ月に1月程度は家賃がないものと計算しておくべきと考えます。
サブリースは絶対にしない:サブリースとは、家賃保証契約のことで、不動産管理会社などがオーナーから一括借り上げて転貸する家賃保証制度です。
この点はわたしが不動産コンサルにおいてもマンション投資で一番失敗する人が多い部分だったので、詳細に説明いたします。
住宅所有者の多くは経営や管理などをすべて管理会社に任せ、契約期間中は決まった金額が家賃収入として入ってくる仕組みです。一般的に保証される賃料は相場の80%から90%となりますが、オーナーは空室リスクがなくなり、安定した賃料を得ることができると言われています。でも、このサブリース契約は実は大きな落とし穴があるのです。
家賃はオーナーと管理会社が相談して決めることにはなっているが、意見が違った場合、その決定権は管理会社が持つことが多く、また、不動産管理会社は市場価格より安い価格で出せば入居希望者は増えるので、契約更新時にオーナーへ低い価格で打診します。
決定権は管理会社にあるので、最終的にオーナーは管理会社の意向を飲まざるを得ません。そうなると、予定していた賃料より安い金額しか手元に入らないという事態に陥ることにもなりかねません。
また、保証期間は30年等と長期間うたっている管理会社が多いのですが、実質は2年程度で契約が更新されます。契約しなければ当然家賃は保証されないので、自力で入居者を探すか、探せなければ最悪は家賃が入らないことにもなります。
サブリースは最終的に家賃を保証してくれる制度ではありません。わたしのお客様には、絶対にサブリースはしないことをお勧めしています。サブリースと一般市場価格の差額を毎月貯金すれば、空室リスク対応はできます。
また、これ以外にもサブリース物件は、オーナーが変わってもサブリース契約は継続するため、出口戦略をかける時、つまり売りに出すときに市場価格の8割くらいの価値にしかならないのです。
金利上昇:不動産投資ローンは変動金利型を利用しているオーナーが多いと思うのですが、金利が上昇するリスクに注意しなければなりません。
家賃下落:わたしの体験上、大胆に言って家賃下落はあまり考慮しなくても大丈夫だと考えています。
これについては、リスクは正直かなり少ないと考えています。
以前のエントリーでも書いたように、ここ20年くらい、都心のマンションの家賃は下がっていません。
もちろん、経年劣化によるマンション価値の下落によって、多少は下がる場合もあります。しかし、下がったとしても下落幅は小さいと考えます。
このグラフをみてください。2004年からの東京圏の平均家賃ですが、ほとんど変わりはありません。
わたしも2001年から不動産投資を始めているのですが、物件ごとに上がり下がりはありますが、トータルの収入家賃若干増えています。20年間市場の家賃価格は下がっていないのです。
(出典:住宅新報)
以上4つのポイントで収支を考えてみてください。
計算はそんなに難しくありません。買う前に自分でやってみるのがポイントです。