なぜジャパネットたかたは「むりょう」の発音を変えたのか(2)/ジャパネットの恐るべき戦略

リテラシー

先日、なぜジャパネットたかたは「むりょう」の発音を変えたのか?についてお話ししました。こちらです。

なぜジャパネットたかたは「むりょう」の発音を変えたのか
以前のエントリーで、「ジャパネットたかたの「むりょう!」の発音に隠された恐るべき戦略」と題して「むりょう」のイントネーションが、東京と違うことについてお話ししました。こちらです。この中で、「そのむりょうの発音がキーです。東京ならば普...

この中で、結論として

「これから2021年にBS放送「BS Japanet Next」の開局を目指しているため、商品のクオリティーから人材のクオリティーまで日本標準にしようとしているのではないかと思う」と書きました。

さらに、追加情報があったのでこの記事に加筆します。

右肩上がりの売上高

ジャパネットたかたの連結売上は2076億円で過去最高(2019年12月

(出典:ジャパネットHD)

 

2012年に底をうってから2019年まで右肩上がりです。そしてその戦略について、2015年に創業者の高田明氏から引き継いだ新社長である息子さんの旭人さんが語っています。

ジャパネットたかたが93%の商品の扱い中止 売れるための狙いとは

・ジャパネットたかたは高田明氏の退任後、93%の商品の扱いをやめた
・高田旭人社長は、登録の手間を省くために売れない商品の扱いを中止
・商品を減らすことで、バイヤーの自信のある商品だけになったと説明した

(livedoornews)

ジャパネットたかたが93%の商品の扱い中止 売れるための狙いとは - ライブドアニュース
売れる仕組みをつくるにはどうすればいいのか。マーケティング戦略コンサルタントの永井孝尚氏は「仮説検証を高速回転させることが重要だ」という。その代表例がテレビ通販大手のジャパネットたかた。3年前、創業者

この中で特に目を引くのが、商品の絞り込みです。

同社は約8500点あった商品を600点に絞り込んだ。つまり93%の商品の扱いをやめた。

月に2個しか売れない商品に多大な稼働をかけていたジャパネット。ジャパネットの強みは小品種多量販売で、Amazonの「多品種少量販売」とは逆ということに気づきました。

いわゆるパレートの法則(2:8の法則)の実践です。

パレートの法則とは、「2:8の法則」とも呼ばれる。 顧客全体の2割である優良顧客が売上の8割をあげているという法則のこと

これは商品にも同じことが言えます。2割の商品が、8割の収益をあげている。ジャパネットの場合、2割が7%だったということです。

(画像出典:マーケティング株式会社)

 

仮説検証の実践。2017年の夏、エアコンがたくさん売れたことですね。従来は1カ月間の計画を立ててチラシを大量配布していました。販売結果を確認したら暑い日によく売れています。

そこで現場と一緒に「暑い日にチラシをまく方法はないか?」と考えました。まず数日あれば、チラシを印刷して新聞で配布できるとわかりました。

そこで気温の週間予想の結果を確認したら、ほぼ正確なんです。「暑い日にチラシをまけるじゃないか!」ということで、今年やってみたらすごくいい結果でした。みんなで喜びましたね。

重要なのは時間です。厳密さはそれほど重要ではありません。だから社員には、「たぶんコレっぽいな、と考えたら、すぐやって、結果を見て、次の仮説を立てればいい」と言っています。でも日本人は真面目すぎなので余計な仕事をしている感じがします。

仮説検証も詳細にはしない、スピードを優先させて常にざっくりとする。このスピード感がジャパネットを支えています。

ジャパネットの戦略は常に斬新

2017年初め位、サッカーJ2の「V・ファーレン長崎」は経営不振に陥りチームの存続が危ぶまれていた。トップスポンサーであったジャパネットホールディングスは、スピードある改革が必要という判断から、株式100%を取得する全面的な支援を発表し、高田明氏が社長に就任した。(その後、2019年に社長を退任しました)

しかし、親会社でもあるジャパネットは、さらにビジネスを展開、新たなホームスタジアムを長崎市内に建設・運営するため、新会社「リージョナルクリエーション長崎」を6月に設立。「V・ファーレン長崎」の新スタジアムを2023年に開業予定です。

パークであり、商業施設であり、イベント会場であり、色んな顔を持ったものを作りたい。

と語ったのは二代目社長の高田旭人氏。

あの「むりょう」の発音を変えたのは(わたしが気づいたのが)2020年8月中旬だと思います。

なぜって、わたしは結構なジャパネットたかたファンなので、毎日のようにテレビショッピングを見ていますから。笑

2015年社長交代、2016年商品絞り込み2017年仮説検証の継続実施、2017年サッカー社長就任、2019年1月にはクレジットカードのセディナと提携し、ジャパネットたかたの顧客を対象としたクレカ「ジャパネットカード」、2020年「むりょうの発音を標準語にして長崎のジャパネットから日本のジャパネットへ」、2021年「BS Japanet Next」として放送開始。

その戦略の基本は「絞り込み、仮説検証、スピード感」。むりょうの発音変更は、その恐るべき戦略の一環にあったのです。