こんにちは。今日は、あと23日に迫っていよいよ白熱してきたアメリカ大統領選挙のお話しをしたいと思います。
世論調査の結果はどれも民主党のバイデン優勢、共和党のトランプ劣勢との報道ですが、果たして本当でしょうか。
目次
世論調査は信用できない
メディアが伝える世論調査はこんな感じです。
バイデンがトランプを16ポイントリード(CNN)

その他各社の調査です
いずれもバイデンが5-10ポイントリードです。しかし、この数字はあまり当てにはなりません。その理由は4つあります。
1.大統領選挙は総得票数では決まらない
大統領選挙は日本の選挙と違って票が多い方が勝つというルールではありません。
全米50州に人口比に応じた選挙人と呼ばれる人がいて、その州で勝った人(得票数が多かった人)がその州の選挙人を総取りする、「Winner Take All」方式なのです。
例えば、前回2016年のトランプとヒラリーが対戦した選挙では、全米の得票数がヒラリーがトランプを300万票以上も上回ったのに、選挙人の数は306:232とトランプが圧勝しました。
(画像出典:毎日新聞)
2.大統領選挙を決めるのは、スイングステートと呼ばれる激戦州
全米50州のうち、常に民主党を支持する州と、共和党を支持する州があります。この州はいつの選挙でも大体同じ党を支持するので、既に選挙が始まる時点で結果は決まっています。
結果を左右するのはそれ以外のスイングステート(揺れる)と呼ばれる州です。
上図の青色の州は民主党、赤色の州は共和党優勢(薄い青、赤はやや優勢)で、それ以外の白い州(アリゾナ、ウイスコンシン、ペンシルバニア、ノースカロライナ、フロリダ)がスイングステイートと呼ばれる州です。
この選挙人の数を合計すると、アリゾナ11、ウイスコンシン10、ペンシルバニア20、ノースカロライナ16、フロリダ29の86人になります。
選挙人の過半数が270人ですから、この86人がどっちにつくかで大統領選挙の勝負が決まることとなります。
3.隠れトランプの数
前回の選挙でもトランプは圧倒的な劣勢が伝えられた中、激戦州でことごとく勝利し、結果30州を制しました。なぜそうなったかというと、「隠れトランプ」という人たちが多かったことです。
隠れトランプとは、トランプ大統領があまりにも過激なことをいうので、公にトランプ支持というのははばかられ、ヒラリー支持またはどちらか決めていないと世論調査に答えていた人たちです。
今回はこの隠れトランプの存在を加味して世論調査をしたと言っていますが、そうは思えません。
4.メディアは反トランプ
アメリカの大手メディアのCNN、ニューヨークタイムス、NBCを筆頭に、ABC、CBC、ワシントンポストなどほとんどが反トランプです。唯一と言っていいトランプ支持はFOXニュースくらいです。
反トランプのメディアは世論調査をトランプ劣勢と伝えることで、空気をバイデン支持に持っていこうとしているとも言えます。
(画像出典:NHK)
こうなった理由は、
新聞や地上波テレビがメディアの主流だった1980年代ごろまでは、メディアは特別な存在だった。テレビの放送を出したり、全国に紙面を配ったりするのは大企業でなければできなかった。そこで働く人たちも、比較的裕福な家庭で育った都市部のエリート層が多かった。そのため、伝える内容も彼らの思想傾向を反映し、リベラル寄りになっていったと指摘されている。(NHK)
例えば、トランプVSバイデンの討論会の評価ですが、CNNはバイデンの圧勝、FOXはトランプの圧勝との評価でした。
それでもトランプが勝つ6つの理由
そんな大手メディアからそっぽを向かれ、フェイクスキャンダルのみ流されているトランプ大統領ですが、それでも勝つ理由を6つあげます。
1.そもそも現職が優勢
これまでの歴史を振り返ってみると、現職の大統領が2期目も勝っている。戦後での例外は、カーター氏とジョージ・ブッシュ氏だけ。
よっぽど失態しない限りなんだかんだ現職が勝っています。
2.隠れ反バイデン
バイデン氏支持者の中にかなり多くの反バイデンがいる。それは討論会の結果でも言われていた。つまり、バイデン支持を明らかにしていても、「本当にこの人でいいのか?」という人がかなりいました。
それもそのはず、あの弱々しい、トランプからの追及にしどろもどろになり、言いたいことも発言できないバイデン氏を目の当たりにすると、不安になってくる人も多くいます。なんと言ってもアメリカ大統領は世界のリーダーだ、アメリカの象徴が、ヨボヨボのおじいさんでいいと思う人はそう多くはいないのです。
さらにバイデン氏につきまとっている認知症疑惑。過去に「私は”ジョーバイデン”を倒す」と言ったり、「私は”180年前”に議員になった」と言ったり、「アメリカ人の”1億5千万人#がコロナで死んだ」と言ってみたり、今だに呆けてはいないことを払拭できないでいます。
Joe Biden: ‘I’m Going to Beat Joe Biden’ pic.twitter.com/P5IGWSYu8W
— Sean Hannity (@seanhannity) August 22, 2020
「私はジョーバイデンを倒す!」
3.スイングステートでの世論調査はトランプリード
アリゾナはトランプがリード。
Arizona Poll:
Trump 48% (+4)
Biden 44%
Jorgensen (L) 2%Trafalgar Group
LV, 10/6-10/8— Political Polls (@PpollingNumbers) October 9, 2020
ペンシルバニアは期日前投票はバイデンがリードですが、当投票する人はトランプがリードしています。
期日前投票数は進んでおらず、ほんの数パーセントです。よって当日投票の方が数が多いため、ペンシルバニアもトランプが取るでしょう。
In Pennsylvania, likely voters who plan to vote early support Biden 87%-13%, while those who plan to vote on Election Day back Trump 60%-39%https://t.co/zEgoK62rnU pic.twitter.com/XqD6NXLxbo
— Post Polls (@PostPolls) September 29, 2020
スイングステートのうち、選挙人が最大であるフロリダもトランプが優勢。
(画像出典:及川幸久チャンネル)
4.炸裂するオバマゲート
副大統領討論会でペンス副大統領があることを明らかにしました。その内容は、
オバマ政権と「ディープ・ステート(闇の政府)」が、トランプ氏とロシア関係者の接触を調査することで、トランプ氏を大統領の座から追い落そうとした。
そしてその証拠、つまり、ヒラリークリントン、オバマ、バイデンの民主党陣営がトランプのロシアゲートをでっちあげ、「ヒラリーの電子メールスキャンダルから国民の気を逸らす為に作った計画した証拠メモ」が機密解除されて、今週、国民の眼前に明らかになります。
この件はトランプ大統領、ポンペオ国務長官がツイートし、リベラルのABCニュースまで取り上げています。
Obama, Biden, Crooked Hillary and many others got caught in a Treasonous Act of Spying and Government Overthrow, a Criminal Act. How is Biden now allowed to run for President?
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 8, 2020
「オバマ、バイデン、曲がったヒラリーと他の多くは、犯罪法であるスパイと政府の転覆の反逆的な行為に巻き込まれました。バイデンはどのようにして大統領に立候補することが許されるのか?」
Mike Pompeo: Clinton emails could be released before election https://t.co/k5DilC9vC6 pic.twitter.com/NvIC42sM1z
— New York Post (@nypost) October 10, 2020
「マイク・ポンペオ:クリントンの電子メールは選挙前にリリースされる可能性があります」
President @realDonaldTrump said Tuesday that he declassified all documents related to the FBI investigation into Russian election meddling and former Secretary of State @HillaryClinton’s private email server.https://t.co/oKGkwujvYC pic.twitter.com/MjHmV6pyWG
— ABC 13 News – WSET (@ABC13News) October 7, 2020
「トランプ大統領は火曜日に、ロシアの選挙干渉と元国務長官に対するFBIの調査に関連するすべての文書を機密解除したと述べた」
この件が明らかになれば、ウォーターゲート事件以上の大スキャンダルになり、事実が明白になるにつれて逮捕者も出るでしょう。共和党にとってはこれは詰みの一手です。
5.コロナ禍からの復活
トランプ大統領がコロナにかかったことは当初、かなりの痛手になると考えられていました。
ところがさにあらず、トランプ大統領は3日で退院してホワイトハウスに戻り、10日経った今日、ホワイトハウスで支持者の前に姿を表し演説しました。
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 11, 2020
これは強いアメリカ、強いトランプ大統領を訴えたと思います。つまり、コロナは恐れるべきではない、コロナと戦って私は勝利したというアメリカ国民への強いメッセージになりました。
6.最高裁判事の任命

トランプ大統領は欠員となった最高裁判事にエイミー・バレット氏を任命しました。上院の決議を持って最終的な任命になりますが、保守であるキリスト教の福音派にとってはカトリックであるバレット氏は絶対に任命してもらいたいところ。
共和党特にキリスト教福音派にとってこのことは最大の関心事であるため、トランプがバレット氏を任命したということで、結束が強まり、投票所に足を運か決めかねていた支持者を発掘したとも言え、票数は確実に増えます。
万が一負けた時のウルトラC
万が一負けた時の準備をトランプ大統領は用意しています。
バイデンとの討論会でもトランプ大統領は言っていましたが、今回コロナの影響で郵便投票の数を増やしていますが、その郵便投票に不正が横行しています。
ABCも報じているように、そこかしこにトランプ大統領への投票用紙が捨てられている状況です。
New Jersey postal employee accused of dumping 1,800 pieces of mail. The mail included 99 ballots for the upcoming election.
READ MORE: https://t.co/3PZ9H9NPwi pic.twitter.com/cjpNwO5Xmz
— ABC 13 News – WSET (@ABC13News) October 9, 2020
ここからは予想ですが、多分、トランプ大統領陣営は万が一負けたら、この郵便投票の不正を盾にとって、この選挙自体の違法性を訴えるでしょう。
そうなるとどうなるか?
そう、提訴すれば裁判にかけられるのは法治国家として当然。裁判になれば結審まではトランプ大統領が継続して地位に留まります。そして最高裁までいった時、最高裁判事の数は保守(共和党支持)の6対リベラル(民主党支持)の3。過半数の判事が違法とすれば選挙自体が無効となります。
大混乱になるでしょうが、選挙が違法であればトランプは地位に留まるでしょう。その後は再選挙になるのか、はわかりません。
いずれにせよ、以上の理由からこの選挙はトランプが勝つであろうと思います。