菅内閣が提案すると思われるベーシックインカム(BI)を若者が賛成すべき理由

経済

こんにちは。10/15に竹中平蔵氏が、菅内閣の成長戦略会議にアトキンソン氏らと一緒に参加するこというニュースが流れました。

(テレ朝ニュース)

成長戦略会議16日に初会合 アトキンソン氏ら起用へ(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
 政府は成長戦略を議論する会議を新設し、16日に初会合を開きます。民間人のメンバーとして、国際政治学者の三浦瑠麗氏や菅総理大臣のブレーンのデービッド・アトキンソン氏らが起用されます。  これまで成

竹中氏といえば、先般テレビ番組で「月額7万円」という話しをして、物議をかもしました。今回成長戦略会議に入ったことで、菅内閣が将来提案するのではないかとの憶測も流れています。

なので、今日は今話題のベーシックインカムについてお話ししたいと思います。

 

まずBIの定義ですが、wikipediaによると次のように説明されています。

ベーシックインカム(英語:basic income、BI)とは、最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して一定の現金を定期的に支給するという政策。基本所得制、基礎所得保障、基本所得保障、最低生活保障、国民配当とも、また頭文字をとってBI、UBIともいう。
ベーシックインカム - Wikipedia

スポンサーリンク

BIとは「一定の現金を定期的に支給」すること

ここで重要なのは、一定の現金を定期的にということです。先般、政府が全国民に一律給付した10万円は、あくまでも一時的な給付であって、将来にも継続していく給付金ではありません。よってBIではありません。BIは定期的に支給し続けていくことが第一の定義になります。

このほか、BIについてはいろいろな誤解があります。

竹中氏がBIを月額7万円にするという話しをしたときに散々叩かれましたが、その多くが誤解によるものでした。これについては、竹中氏がj-castのインタビューで話しをしているので、それを取り上げてみます。

竹中平蔵氏に、もう一度ベーシックインカムを聞こう 「月7万で生活できるなんて、言ってないですからね」【J-CASTインタビュー】
「1人毎月7万円では、とても生活できない」「単なる社会保障の削減ではないのか」――。元総務相でパソナグループ会長の竹中平蔵東洋大学教授が、2020年9月23日夜放送のBS-TBS番組「報道1930」で「ベーシックインカム」について持論を述べると、ネット上ではこんな声が噴出した。竹中氏が菅義偉首相に近いと言われており、菅...

ーーBSの番組では、竹中さんの持論について、「国民全員に毎月7万円支給」とパネルで紹介していました。ただ、家族が多ければ受給額も大きくなりますが、家族がおらず単身で生活する人を中心に「とても暮らせない」「家賃で多く消えてしまう」といった声がネットで出ています。この点については、どうお考えでしょうか?

竹中「1人7万円で生活できる」と言ったことはまったくありません。平均で7万円レベルなら、財政的に大きな負担にならない、と申し上げたんです。例えば、家族4人で28万円は必要ないかもしれませんので、3、4人目はもっと安くしましょう、その代わり1人のときは少し多めにしましょう。7万円とは、あくまでも平均になります。税金を増やしていいなら、支給を大きくできますが、スイスでは反対があってとん挫しています。実際の支給水準は国民の合意で決めることになると思います

竹中氏はこのように語っており、つまりは、7万円で生活しろと言っているわけではありませんでした。7万円が財政的にも可能な数字としてあげたのです。

わたしが不思議に思うのは、「7万円では生活できない」というのなら、今の国民年金の月額6.8万円はすでに破綻しているということになります。もちろん6.8万円で暮らせる人はなかなかいないのでしょうが、ほとんどの人はそのお金を生活の一助として暮らしているのが事実です。

スポンサーリンク

BIは弱者切り捨てではない

――こちらの案ですと、全員が国民年金の支給額レベルに下がり、生活保護も実質切り下げられて、結果として単なる社会保障の削減になるのではないかとの指摘もあります。結局は、若い人を中心に自助の努力をせよということなのでしょうか?

竹中:社会保障の削減ということは、まったくないですね。普通、こんなことをすれば財政負担が増えると言われています。このことは制度設計次第でして、年金を積み立てた分は保障しながら、ベーシックインカムに切り替える、ということです。

生活保護も、それを補うものとしてあっていい。税金の率というのは累進課税で行い、所得が高い人には高い税率を課し、低い人にはマイナスの税率でお金を支給するシステムになります。

本当の弱者を助けるためには、自助の人ができるだけ多くいなければならないんです。それは、どんな社会になっても、普遍の原理ですよね。弱者切り捨てという論理の飛躍には、ちょっと唖然としますね。

BIは社会保障制度をガラガラポンするのですが、年金を減らしたり、生活保護を減らすことを前提としているわけではありません。

年金、生活保護、税を見直して国民に押し並べて一律に現金を毎月支給するということです。竹中氏が7万円と言ったのも現在の国民年金の支給額を意識したものではないかと思います。

収入が高い人が低い人を助けるという考えに基づくものです。

スポンサーリンク

BIは負の所得税と同じ

負の所得税とはミルトンフリードマンが提唱したもので

負の所得税(ふのしょとくぜい、英: negative income tax, NIT)は、累進課税システムのひとつであり、一定の収入のない人々は政府に税金を納めず、逆に政府から給付金を受け取るというもの。

1940年代のジュリエット・ライス=ウィリアムス、後には経済学者ミルトン・フリードマンの著書「資本主義と自由(Capitalism and Freedom)」(1962)により展開された政策アイデアである。

負の所得税 - Wikipedia

一定の所得を超える所得に課税をするのと同じように、それより下の所得にの課税をマイナスにする(お金を給付する)ことです。

たとえば課税最低限を400万円、税率を10%とすると、400万円を超える所得に10%の税金をかけ、400万円以下の所得の人にその差額の10%を給付します。

たとえば所得が200万円だと(400万-200万)×0.1=20万円を給付するので、課税後の所得は220万円になります。

BIもこの考え方と同じですから、所得がある人は当然課税されます。

スポンサーリンク

BIには財源が必要

当たり前ですが、BIはただでもらえるものではありません。もし政府がただで無限にお金を給付できるのであれば、誰も働く必要はなくなります。

お金を配るには財源が必要です。財源がなければお金は配れません。当たり前ですが。

ちなみに今の財源は、税収入が63兆円です。もし国民1人当たり、赤ちゃんから老人まで全ての人に7万円を配るとすると、財源は約105兆円必要で、42兆円足りません。

もし国民年金、生活保護、児童手当などをBIの財源にした場合、25兆円になりあと17挑円。あと、17兆円なら国債を増やしてもインフレにはならないので、大丈夫かもしれません。

でもそれよりも手堅いのは消費増税かもしれません。確実な財源になります。

スポンサーリンク

サラリーマンが消費増税に反対することの不思議

消費増税というと、センメルベース反射のように、反対論が巻き起こりますがはっきり言って若者や低所得者は消費増税に反対するべきではありません。

BIで話したように、社会保障には財源が必要です。その財源として消費税は使われています。

消費税は感覚的に嫌だという痛みの感じる税だからです。例えば、所得税や社会保険料は源泉徴収で引かれてしまうので、仕方のないお金だという認識があると思いますが、なんと、厚生年金保険料と健康保険料を合わせると所得の約30%もあります。

そういう意味では消費税ほど公平な税はありません。そして消費税が増えなければ、政府は他の取りやすいやり方(年金保険や健康保険)でみなさんのお金を抜かれていくのです。

さらにトーゴーサンという言葉を聞いたことがあると思いますが、残念ながら徴税の実態は公平ではありません。自営業者などは節税(下手をすると脱税)することができますが、サラリーマンはすベて源泉徴収で税金を持っていかれます。

(トーゴーサン:税金の捕捉率、給与所得者約10割、自営業者約5割、農林水産業者約3割を例えた言い方)

先日トランプ大統領が税金を教員ほども納めていないというニュースがありましたが、日本の企業も同様です。合法的に節税でき7割の企業が赤字で税金を納めていません。

あのソフトバンクも2兆円稼いで立ったの500万円です。そういう意味では消費税は誰も脱税できない公平な税金です。

スポンサーリンク

若者はBIに積極的に賛成しよう

(画像出典:玉木雄一郎事務所)

この図は世代別の受益と負担の図ですが、40代を境に逆転していることがわかります。つまり40歳より若い世代は将来年金をもらうより、自身が支払う方が多くなり、最大8,300万円の損をしてしまいます。

さらに、現状の少子化が劇的に改善しない限り(多分しないでしょう)、現状の年金制度は破綻します。多分、もってあと20年です。

将来年金をもらえない、もらえたとしても今お年寄りがもらっている金額よりもはるかに低いか、受給年齢が先送り(70歳になるでしょう)されます。

ですので、若者こそ7万で生活できるか!と怒るのではなく、今給付金をもらえるチャンスを逃すべきではないのです。不公平に利益を享受している一部の人から、利益を取り戻すことにもなると思います。