吉村知事のイソジン発言に踊らされる「リテラシーのない」人たち

コロナ

吉村知事が昨日、「イソジンはコロナに効く」と発言しましたが、懸念していたとおりその発言が波紋を広げています。薬局のイソジンは売り切れ、明治ホールディングスの株は高騰し、ネットでは発言の真偽を問う声もかなり出て、物議をかもしている状況になっているのです。

ここで、吉村知事が何を言ったかを振り返ってみます。

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吉村知事の発言内容

Yahooニュースによれば、吉村知事は、市と府の協力で「大阪はびきの医療センター」(羽曳野市)が府の宿泊療養施設の療養者41人を対象に、ポビドンヨードを含むうがい薬によるうがいを1日4回実施したところ、「ポビドンヨード含嗽(がんそう)で宿泊療養者の唾液ウイルスが低下する」結果が得られた

この結果を受け、吉村知事はポビドンヨードうがい薬を紹介し、うがいの励行を呼びかけた

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発言から広がる波紋

吉村知事の発言でいろいろなところに波紋が広がっています。

まずはイソジンの売り切れ。この発言を受けてイソジンはコロナに効くと早合点した人たちがドラッグストアに押しかけ、イソジンは発言後数時間で売り切れ状態。「あこちさん」のツイートを見るとイソジンのコーナーだけガラガラです。

さらにYusuke Nikamiさんのツイートを見ると、イソジンを買おうと大行列

さらに、大手再販サイトのメルカリでは高値での取引がされています。

(出典:メルカリ)

そして明治HDの株価は、640円高の8,990円に急騰(SankeiBiz)しました。

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吉村知事がしてはいけなかったこと

1つは「イソジンポビドンヨードの効果の真偽が未確定」なのに今回の発表をしたことです。

吉村知事は「ポビドンヨードでうがいをした人の唾液ウイルスが低下する結果が得られた」と言ったのですが、これが大きな誤解を呼びました。

確かに、『大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターによる新型コロナウイルス感染症患者に関する研究』によればうがいにより唾液中のコロナは減ったのでしょう。

でもそれは、その後の新型コロナによる悪化が防げるということを意味する者ではなく、うがいすることによって検査の陽性率が下がったという結果です。

つまりうがいによって、一時的に新型コロナが検出されにくくなっただけなのかもしれません。

そして、名医が集まることで有名な日本で5本の指に入る「亀田総合病院の公式ツイッター」がその効果を否定しています。

理由は治療効果、予防効果共に化学的に証明されていないこと、また、作用機序(薬の効く仕組み)から考えても一般的な医学的知識から効果があるとは考えにくいからです(2/4)

さらに、ヨードの入った製剤は甲状腺ホルモンに影響を与え、甲状腺機能異常が起こるリスクが予想され、医学的な判断を伴わない使用には危険を伴う事も理由です(3/4)

と続き、最後のツイートでは甲状腺機能異常のリスクまで言及し、効果を否定するどころか安易に使うべきではないと言っています。

いずれにしても、新型コロナのウイルスが無くなることを意味せず、ましてや重病になることを防げるという結果ではないのです。

2つは自身の発言の影響度を全く考えなかったことです。

コロナの影響により、マスクや除菌液が買い占められ、高値で転売されて転売禁止の法律ができたことは記憶に新しいはずです。

それを知りながら、こう言った発言をすれば、イソジンは市場から消え、高値で転売しようという人が買い占めることは容易に予測できははずです。

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リテラシーのない人たち

以前のエントリーでも指摘しましたが、コロナを極度に恐る人たちは数値を見るということ、(もはや勉強レベルではなく作業)ができません。

今回もまず最初にニュースソースをあたり、吉村氏の発言は本当かどうかを探るべきなのにそれをせず、イソジンがコロナに効くと早合点してドラッグストアに殺到します。

事実、吉村氏が言ったのはポビドンヨードであり、うがい薬ではありません。しかしこの事実さえ知らず、ポビドンヨードの入っていないうがい薬を高値で購入してしまう人が続出しています。ライトさんのツイートより。

今回は、安易に根も葉もないニュースに踊らされない、リテラシーを持つことが重要という教訓でした。