ジャパネットたかたの「むりょう!」の発音に隠された恐るべき戦略

リテラシー

ジャパネットたかたといえば、先代社長である創業者の高田明氏。あの甲高い声と独特のイントネーションで、テレビショッピング業界を席巻し、明は、売上高1500億円を超える企業を一代で築いたカリスマ経営者で、ジャパネットたかたの名前を一躍メジャーに押し上げた。現在は明氏は退き、息子である旭人氏が社長を勤めている。

ジャパネットたかたとは

もう知るひとぞ知るどころか、知らない人はいない「株式会社ジャパネットたかた」は、長崎県佐世保市日宇町に本社を置く、日本の通信販売会社。キャッチコピーは、「今を生きる楽しさを!」。

本社所在地は長崎県佐世保市日宇町2781、本店所在地は東京都港区三田1-4-10。創立1986年(昭和61年)、事業は通信販売媒体の制作およびマーケティング、資本金は3億円、従業員数はパートやアルバイトを含む240人。連結売上はなんと、2076億円で(2019年12月期)で過去最高の数字。

(出典:ジャパネットたかたHPより)

通信販売だけじゃない

ジャパネットホールディングスは2019年9月、グループ会社であるジャパネットメディアクリエーションが申請していた総務省の「BS放送等に係る衛星機関放送の業務認定申請受付」に対し、認定することが適当と認められ、チャンネル名を「BS Japanet Next」として、2021年の開局、放送開始をめざしている。

放送事業だけではなく、2019年1月にはクレジットカードのセディナと提携し、ジャパネットたかたの顧客を対象としたクレカ「ジャパネットカード」を開始。カード利用の顧客への得点を用意し拡大に努めている。

売れるものはなんでも売る

「そもそもジャパネットたかたは、創業者の高田明氏が、実父の経営するカメラ販売店から1986年1月に独立し、佐世保市三川内町に設立した「株式会社たかた」を設立し、当初はカメラ店(富士フイルム特約店)兼ソニーショップとして実店舗による事業展開を行っていた。

その後、1990年に長崎放送にてラジオショッピングを行ったところ、放送時間中の5分間で50台のカメラが売れ、100万円ほどの売上を達成したことから、ラジオショッピングを主体とした通信販売に業務の主軸を置くようになる(Wikipedia)」。

しかしその後はご存知の通り、カメラどころか家電、パソコン、ゴルフ用品、寝具、時計、バック、防犯、グルメとまさに手当たり次第。まさに売れるものはなんでも売る。

MCがすごい

わたし、通販番組が割と好きで結構見るのだが、その中でもこのジャパネットたかたのMCのクオリティーはすごい。なんせ、生放送なのに出てくる MCが男であろうが女であろうが、2人の息がぴったり。秒単位でセリフをまとめ、全く噛まない。恐るべきクオリティー。

売り方もソツがない。最初の何分間で商品のメリットをこれでもかと説明した後、値引きからの下取り。そして最後に出てくるのが、むりょう!です。手数料むりょう!、取り外し料金むりょう!、基本設置費用むりょう!、スマホ設定むりょう!、送料むりょう!と。無料のオンパレードでせめてきます。

そして、そのむりょうの発音がキーです。東京ならば普通に発音は「む」から「う」までは並行した音程で上がりも下がりもしませんが、ジャパネットのむりょーは「む」が異様に上がるのです。そう地元の長崎弁です。(多分)

(画像出典:ジャパネットたかた)

「むりょう」は、なぜあの発音なのか

今やジャパネットは今をときめく日本のジャパネット。知らない人はいない。BSをつければ大体どこかのチャンネルで放送しているし、たまには地上波でも放送している全国放送。

その全国放送なのになんで、むりょうだけ、長崎弁?実は発音だけでなく、放送も地元の佐世保から実況生中継、そして商品は「むりょう」の長崎弁。この長崎へのこだわりこそが、ジャパネットの原点でありこだわりなのではと思うのです。

独自放送を持とうが、ネームバリューが全国規模になろうが、我々の原点は長崎にあるという誇り。その誇りこそジャパネットを支え、今や年商2000億円を超える大企業に躍進した源ではないかと考えます。

というわけで、今日もどこかでむりょうの声が響き渡っている「ジャパンネットたかた」についてでした。

(アイキャッチ画像出典:ジャパネットたかたHP)

続編はこちら

なぜジャパネットたかたは「むりょう」の発音を変えたのか
以前のエントリーで、「ジャパネットたかたの「むりょう!」の発音に隠された恐るべき戦略」と題して「むりょう」のイントネーションが、東京と違うことについてお話ししました。こちらです。この中で、「そのむりょうの発音がキーです。東京ならば普...