先日、マンション投資のコンサルをしていたら、お客様から「資産と負債」の違いを具体的に説明してください、とのお話しがありました。
お客様にはその場で説明したのですが、この件についてブログでもお話ししたいと思います。
資産とよく似た言葉に資金というのがありますが、これについても説明したいと思います。
資産、負債、資金とは
資産は英語でAssets(アセッツ)、資金はFunds(ファンズ)、負債はliabilities(ラビリティーズ)です。
よく、アセット、とかファンドとかいう言葉を聞くことがあると思いますが、正しくは上記です。
資産運用とは、自身の持つ資産を貯蓄・投資し、効率的に資産を増やしていくことで、資金運用という言葉は日本語にはありません。
これでお分かりかと思いますが、資産とはそれ自体持っていることで収益を生むもの(多寡は問いません)を言います。「資」を「産」むから資産ともいえます。例えば、社債、国債、株、不動産、外国貨幣(FX)、金(GOLD)、定期預金は資産になります。
負債は他から金銭や物資を借りること。その借りたもの。また、債務のことを言います。
例えば、借金、買掛金(ローン)、カードを使った買い物も負債です。引当金などもそうですが、混乱を招くのでここでは説明は割愛します。
では資金は何かというと、そこにものはあるが、1円もお金を生まないことを言います。例えば、タンス預金、や現在の普通預金(利息0.001%なので)などです。ここで重要なのは持っていること自体でマイナスにはならないということです。マイナスになるならば、それは負債と言えます。
よく、持ち家や自動車や高価な時計は資産だという人がいますが、正確には間違いです。
大胆にいえば、持ち家や自動車、時計は負債だといえます。高価な自動車も実は負債を買ってローンを支払っているのです。
持ち家は資産だろうという反論もありそうですが、持ち家は基本的には負債です。それは年々価値が減ってきて、1円も価値を産まないからです。
年々価値が減るのは、築年数が増えるごとに価値が減ることで納得いただけると思いますし、価値も産んだりしません。さらに、持っているだけで固定資産、メンテナンス費用がかかります。
経験談ですが
わたしが、ワンルームマンションを買った時に「大丈夫か、そんな危ないものを買って?」と聞いてきた友人がいましたが、その友人は千葉県の都心まで1時間以上かかる場所に6千万円のマイホームを買っていました。
わたしから言わせれば、そっちのが危ないものだろう、と言いたくなるのですが。マイホームは確実に価値は減ります。高い買い物であればあるほど、もし働けなくなった時、もし解雇された時、もし経営している会社が傾いた時、確実に負債となって襲ってきます。
その時、売ったとしても組んだローンを支払えない可能性があり、負債だけ抱えて家はないという状態が起こりえます。
ワンルームマンションも同じだろう、という意見については、違うとお答えします。なぜなら、もちろんワンルームマンションも固定資産税は払うし、メンテナンスもします。でもそのお金は自分の金ではありません。修繕積立金も税金も入居者の家賃でまかなえるからです。
良い資産と悪い資産
社債、国債、株、不動産、外国貨幣(FX)、金(GOLD)、定期預金も資産だと述べましたが、このうち良い資産と悪い資産があります。良い資産は安定的に収入が入るもの、悪い資産は収入が安定しないものです。
これも経験談なのですが、株とFXも以前やっていたのですが、リーマンショックとライブドアショックでボコボコになってしまいました。
この時は本当にひどい状況で、何百万と投資した金が本当に一瞬で吹き飛んでしまいました。それも、毎日毎日、チャートとにらめっこして、この銘柄は伸びそうだ、この外国貨幣は伸びそうだと四六時中考えていて、伸ばしてきた資産です。
それもプラスになっていたものが吹き飛んだのなら、まだ諦めがつきますが、赤字、トータルで4百万近い金が吹き飛びました。
以前のエントリーでも書きましたが、株、FXはしょせん、他力なんだと実感した次第です。それからいろいろな投資先を探し、不動産にたどり着いたのが、40歳の時でした。
マンション投資もキャピタルゲイン(売却益)で稼ごうとしたら、わたしは負債だと思っています。なぜなら明日の不動産価値など誰もわからないからです。インカムゲイン(家賃)で稼ごうと思ってこそ資産になります。
(画像出典:住宅新報)
前のエントリーでも出したグラフですが、ここ20年以上東京圏の家賃はほとんど変化がありません。もちろんこの間、不動産価値は変動があります。例えば、都心のワンルームマンションは2014年から比べると2020年は価値が1.5倍になりました。そんな時ですら家賃の変動はほとんどありませんでした。
絶対などとは言いませんが、比較的インカムゲインを目的に投資するマンション投資はリスクが少ないのです。
あ、だからと言ってわたしは持ち家は買うなと言っているわけではありません。持ち家もちゃんとしたものを買えば負債の割合がかなり減ると思っています。その点はまた次回以降にお話しいたします。
というわけで、今回は資産、負債、資金についてお話ししました。参考にしていただけたら幸いです。