韓国海軍が自衛隊機にレーダー照射した事案で、韓国の迷走が続いている。事件の経緯をまとめると次のとおりだ。
・防衛省は2018年12月21日、海上自衛隊厚木基地所属のP1哨戒機が20日午後3時ごろ、石川県・能登半島沖の排他的経済水域内の上空で韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けたと発表。
・22日、韓国軍は、「駆逐艦は遭難した北朝鮮の船舶を見つけるために火器管制レーダーを含むすべてのレーダーを稼働し、この際近くの上空を飛行していた日本の海上哨戒機に照射された」と説明した。
・だが24日になると韓国の主張は一転し、韓国軍合同参謀本部幹部は、「レーダーと連動する撮影用カメラで哨戒機を監視したが、哨戒機に向けた一切の電波放射はなかった」と主張しはじめた。
・事実を認めようとしない韓国に業を煮やした防衛省は28日、哨戒機が撮影した当時の映像を公開した(防衛省ホームページ)。韓国側は、このレーダー照射問題を公表しないよう日本政府に要請したという。
・同日、韓国国防省は映像公開の証拠を公開し謝罪を促した日本側に対し韓国側は反発し、「韓国駆逐艦は正常な救助活動中で、日本の哨戒機に追跡レーダーを運用していないとの事実に変わりはない」と主張し、日本を批判した。
・そして年明けの2019年1月2日、韓国国防省は自衛隊機が駆逐艦に「威嚇的な低空飛行」をしたとして謝罪を求める声明を発表した。
・さらに1月4日韓国国防省は、日本の主張に反論する動画を公開し、「日本はこれ以上、事実を歪曲する行動を中止し、脅威を与えた低空飛行について謝罪すべきだ
」と伝えた。(朝日新聞)。
正直、韓国からの発表は驚きの連続だったが、1月4日の動画が一番の衝撃を与えたのではないか。バックにBGMが流れていたからだ。およそ、国家という政治組織で、反証を公式公開するのにBGMを流す国がどこにあるだろうか。(動画は時事通信社YouTubeの日本語版より:編集部)
そして、この事案で韓国は以下の3点で明らかに矛盾をしている。
1点目は当初捜索のために、レーダーを照射したとしながら、2日後にレーダーの照射は一切なかったと見解を変えた点だ。
2点目は、映像の公開をしないように要請していた点だ。解決を真に望むのならば日本側に映像の公開を翻意させるのではなく支持すべき立場なはずである。発言を翻し、事実の公表を妨げようとしていること自体、韓国に非があると思われても仕方がない行為である。
3点目は、自衛隊機が低空飛行で威嚇したと言うのなら、なぜ、日本に非難された12月21日に言わなかったのかだ。
60年以上にわたり反日政策を続けてきている韓国は、反日無罪と言われるように、相手が日本であれば「正しい行い」とされ支持される。日本に関する事案で、韓国が目指すところはただ1点、「どんなことがあっても決して日本に対して罪を認めず、絶対に謝罪しないこと」である。それが国際的に全く理解されないことになっていても、もはや止められない状況に陥っている。
「国交」とは、2国間の外交関係のことをいう。当たり前だが自国になんらかのメリットがあるからこそ、国交が生じる。徴用工問題、慰安婦問題、旭日旗事案、竹島不法占拠、そして今回のレーダー照射事案を見てみると、日本側のメリットをトータルで考える時期にきている。昨年末、徴用工問題で、日韓は近い将来事実上の断交状態になっていくのではないかという(記事)を書いたが、事態はより早い速度で進行しているように思える。
「ここに不幸なるは、近隣に国あり、一を支那といい、一を朝鮮という」。
130年以上も前に書かれた「脱亜論」と現在の状況は変わっていない。それどころか悪くなっている。福沢諭吉の教訓を実践し日韓関係を真剣に考える時期に来ている。いずれにしても、今回の事案を含めて、今年日韓両国が大きな転換点を迎えるように思えてならない。