今日は就活の面接についてお話ししたいと思います。
人生の岐路はいろいろありますが、1番の岐路はなんといっても就職。そして就職するために乗り越えなければならないのが面接です。面接ノウハウ集はいろいろありますが、はっきり言ってどれも言うことはわかるけど実践できないものが多いです。
わたしは以前務めていた会社(一応大きなIT会社で社員1万人)で面接官(最終面接も)をやったことがありますで、その時の経験を踏まえて少しお話ししたいと思います。結論から言うと表題のとおり、入室してから1分が全てです。なぜそうなのか、どう振る舞えばいいのかについてこれから話しをします。
人は見た目が9割?
「人は見た目が9割」というミリオンセラーを飛ばした本があります。ちなみにこの本の著者のいう「見た目」とは、その人が持っている言葉以外のことすべてを指しています。言語以外のコミュニケーションを見た目と言い、言語以外のコミュニケーションがいかに大事かということが書いてあります。
やはり人は外見が1番なんやで
さて、その言語以外の中でも1番大切なのは何かというと「外見」です。つまり表情、姿勢、振る舞い、格好とでも言いましょうか。この中でも1番重要なのが、表情、つまり顔です。残念ながらまずはそうなんです。
美形とそうでない人のどっちを取るか、ハンサムとそうでない人のどっちを取るかの2択の場合、やはり美形とハンサムになるのです。(他の条件が一緒ならば)つまりは顔が整っている人はそれだけでかなりのアドバンテージを持っています。事実なのでこれは仕方がありません。
嘘だろう?と思う方は次の話しを聞いてください。
最初の1分の重要性
結論から言うと面接は最初の1分で決まるんです。1分というと大体入室、一礼、着席、自己紹介までの時間です。自己紹介と言っても話し出しのほんの数秒です。何日も何人も続けて面接していた時、ふとあることに気づいたのです。「就活生が部屋に入ってきた瞬間の印象と、面接が終わった後の印象はほとんど違わないぞ」と。
そう気づいてから面接するたびに入ってきた印象と終わった後の印象をA-Dの4段階評価でつけてみたらどうでしょう。なんと9割がた外れてないことが分かったのです。つまり、良い印象の人は最後まで変わらない。ダメな印象の人は最後までダメ。つまりは、自己紹介までの1分ですべてが決まるということです。
これは別の言い方をすると良い印象の人はそもそもできる人で、ダメな人はそもそもダメということもできます。イケメン、または美形で立ち振る舞いが美しい人は、受け答えもしっかりできていて、なよなよと入室してきた人は受け答えもなよなよなのです。またこうも言えます。
なよなよとした人がどんな良いことを言ったとしても全く響かず、「何言ってんのこいつ」となってしまうんです。
自分と同じ考えの人はいないかなと、いろいろな資料や本をあたってみると同じことが書いてある本がありました。「言ってはいけない残酷すぎる真実(橘玲著・新潮社)」がありました。内容を抜粋してみます。
直感の的中率の凄さ
ノースイースタン大学の研究者がある実験をしました。学生にお互いを知るための会話をさせ、その後その動画を①音声のある1分間の映像、②音声のない1分間の映像、③1分間の会話を書きおこした文章を被験者に見せましあた。被験者は知能指数、学業平均値、大学進学適性試験のデータを渡されどのデータが学生に該当するかを当てさせたのです。
すると①はほぼ正確に当てられたが、②の音声のない映像でも同様に当たったのです。しかし、③の書き起こしでは全く当てることができなかった。ここから言えることは、知性は会話を聞かなくとも外見で推測できるということです。どうです?すごいとおもいません?
さらにすごい実験があります。ハーバード大学では学生が教師を評価(教師の熱意、分かりやすさ、学習意欲を書き立てたれたか等)するのですが、こういう実験が行われました。
学生を2グループに分け、1グループは教師の授業初日の評価、2グループは1週間後に評価、学期末に2つのグループとも再度評価を行ったのですが、学生の評価はほとんど一致したのです。
さらに驚くべきことは、違う学生に教師が授業をする動画の「冒頭」と「中ほど」と「最後」を各10秒ずつ合計30秒見せたのですが、学生は有能な教師と無能な教師を見事に見分けたのです。さらにさらに、この10秒を2秒にし合計6秒にしても結果は同じだったのです。
要するに人は話す内容など、ほとんど聞いてはいないということです。そう、ここまでくるとわかると思いますが、見るのは外見、立ち振る舞いなのです。じゃどうすれば良いかということになります。
まず顔ですが、顔などどうにでもなります。例えば写真。今どきは就活専用の写真館さえあります。撮った写真などいかようにでも修正ができます。見てください街に貼ってある選挙ポスターを。修正されている写真など一つもありませんし、商品のDMで送られてくる女優さんも同様です。なのでこれは直せます。さて次に現物の顔ですが、これも可能です。そうメイクです。今どきは就活専用の化粧品もありますし、就活専用の化粧スタジオさえあります。
ノンバーバルコミュニケーションで面接官を仕留めろ
ノンバーバルコミュニケーションという心理学用語があります。これは先ほど言った、表情、身振り、体の触れ方(触覚学)、体の動き(動作学)、姿勢、身なり、話し方(内容ではなく声のトーンや大きさ)などです。
これをマスターすれば面接官を良い意味で「騙せます」。元最終面接官のわたしが言うのだから間違いありません。難しくはありません。やればできます。具体的に言いますね。
1.あたり前ですが身なりはきっちりする。スーツはダークブルーか黒系の落ち着いていると思わせる色を着る。
2.猫背になるな、胸をはれ、肩を上げろ。俯いたり背を丸めるのは謙遜のポーズと言われ否定的な印象を与えます。
3.手で顔(目、鼻、口、頬どこでも)は絶対に触るな、髪もだ。触れば不安、意見の相違を伝える仕草になる。
4.喉元も触るな。恐怖していることを示してしまうので。
5.笑顔は歯を見せるつもりで笑え。本当に見せても構わない。笑顔の時の歯は健康的な表情を印象づける。
6.目は死ぬほど開け。
7.上顎を上げて前をみろ。
8.話す時(自己紹介)は大きく口を開けて、同じトーンで、ゆっくりと話す。そして大きな声で。
9.絶対にうろたえるな。堂々としろ。
以上を守れば必ず成功します。と言ってもこれは練習しないと難しい。鏡の前で練習したり、人にみてもらったりすることが大事。例える人が良くないかもしれませんが事実として。
かの「ヒト●ー」(いろいろあるので字は伏せますが旧ドイツ帝国のあの人です)は、演説の際の立ち振る舞いを必死こいて練習し、大衆の心をグッとつかんだと言われてます。(胸に手を当てて前に突き出す等々は有名な仕草です)。とにかく最初の1分で好印象を与えたらかなりのアドバンテージが得られます。信じるか信じないかはあなた次第です。
というわけで今回は就活の面接について話しました。ではでは、また。